vol.8 観光地にタイムカードのヒビキが…
では、また、いつか…、ね?
もっと、ずっと話していたい!…でも時間が来ちゃいました (T.T) 。「じゃあ〆ちゃん、来年は中年オフ会をぜひ開きましょうね」「もちろんです!達人さんと3人で大阪に集結して、盛大にやりましょう」。そんな話をしながら、車に乗り込みます。
「ホントにお世話になりました」 (m(__)m×3人)「お気をつけて (^_^)/~」という会話を最後に、車は動きだします。あぁ!この店も、この太地町のウツクシイ風景も当分見納めかぁ…って思うと、まわりの景色が、とても愛(いと)おしいモノに思えてなりません。店の前にはこんな入り江があって、鯨の追い込み船が泊めてあって、そこには温かいココロを持ったご夫妻が、毎日イッショウケンメイ頑張って生きている……。なんだかガラにもなく、おやぢのココロはちょっとウズいてしまったのです。
「さようならぁ」「さようならぁ」…。
入り江をぐるりと回って、串本町方面へ向かう道に出ました。遠くに〆ちゃんのお店が見えます。そしてご夫妻は豆粒のようにしか見えなくなっちゃいましたが、まだ手を振ってくれてます。トコトンいい人たちなんです!私も車の中から手を振ります。
「さようならぁ、またね〜、また来っからね〜」。
それから海中公園までの車中は、「いかに〆ちゃんご夫妻がヨイ人たちか」をテーマに、3人の大激論が展開されました。義母などは「ま〜あんなに良くしてもらって…、ほんとフツウの旅行じゃ絶対できないわよ!お金いっくら積んだって、親切やマゴコロまで買えないものねぇ。」と少しナニワ節的に感動を表現。妻は「でもさぁ、〆ちゃんって、あんなに気前よくって大丈夫かしら。だってあんなにスゴイお昼出してくれて、お土産買う時だって、ものすごくサービスしくれたでしょ?奥さんもハラハラしてたんじゃない」と主婦らしい感想を述べています。
すかさず義母が「大丈夫よ。だいたいね、どこの家でも奥さんがしっかり手綱を握ってるから、ダンナは安心してノビノビできるモンなのよ」と、夫の私を目の前に、ヒジョーにデンジャラスな感想を言います。妻も「そ〜ね〜。〆ちゃんの奥様もワタシと同じでヒカエメでオトナシそうだけど、シンはしっかりしてるってタイプなんでしょ〜ね」と言って、母子で「ぎゃはは」と笑ってます。
あのね、キミたちね、ボクと〆ちゃんと達人さんのユウジョウってのはね、そういう次元のモンダイではないの!オトコのロマンなの!って思わず大声で叫んでしまいました、ただし、ココロの中で…(^O^)
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ここわぁ〜くしもとぉ〜海中公ぉ園ん〜♪
で、一行は途中思いがけずに出現した(事前調査がいい加減だけだったんですが… (^^ゞ)「橋杭岩」の奇観にビックリしながら串本町に向かいます。ここには「海中公園」があるのですよ。私が高校の頃だったんですが、大阪の毎日放送(MBS)っていうラジオ聞いてまして、遠い大阪の異文化に、ハゲシクあこがれてたんですが、そのMBSのCMで串本町長が「ここわぁ〜くしもとぉ〜海中公ぉ園ん〜♪」と串本節をもじって、唱ってました。
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高校生の私は、テカテカのアブラっぽいニキビ面を光らせながら、「かいちゅ〜こ〜えんかぁ。海の中に公園があるんかな?」などと、家の畑からもいできた酸っぱいトマト(断じて桃太郎などという甘ったるいシロモノではない!)にかぶりつきながら「行ってみて〜な〜」なんて、トマトの青いヘタを庭先に投げながらアコガレてたモンです。
しかし実際ホウモンしてみると、あの高校の頃のアコガレはどこへやら…。コチラがすれたのか、アチラが古びたのか、一向にオモロくありません。もちろん「水中展望台」や「海のトンネル」など、それなりにミドコロはあったんですが、結論から言っちゃいますと「フツウの水族館じゃん?」って感じでした。
なんかね、私のイメージですと、もっとね、海とタワムレるコトができる場所だと思ってたんスよ。トンネルもう〜んと長くて、いたるトコロににょろにょろ伸びててね。それで、魚たちを相手に人魚のカッコしたキレーなおねいさんが「おサカナになった、ワ・タ・シ うふっ」っと戯(たわむ)れてる…(それっておやぢの発想ですがな!)。
なんかちょっとザンネンでした。昔つきあってた女の子が10年後にあったら、三段バラのオバサンになってたってカンジです。…もっとも、ワタシも今では三段バラだしなぁ…う〜ん…
観光地にタイムカードのヒビキが…
一行はうだるような暑さとタタカイながら、次の目的地である「三段壁」に車を走らせます。しかし、時間がない!海中公園を出たときはすでに4時をかなり回ってましたので、「三段壁」に着いた時は、もう5時近くになっちゃってました。も〜観光地もね、最近はサラリーマン化してますからね、5時近くに行ったって、近所のお土産屋さんだって「あ〜終わった!終わった!さぁて、早いトコ片づけて、ビール飲み行こ!」ってな様子のオジサンが、それでも最後のひとネバリで、ウロウロする私たちに向かって「ミカンあるよ!お茶飲んでかない?」と、一応声をかけるっていう「不本意ながら残業に突入。じゃによってヤル気あんまり無し」のフンイキなのです。今にも「退社」のタイムカードに「がっしゃん」って刻印するヒビキが聞こえてきそうなカンジ。
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それでも一応「三段壁」に来たからにゃ、ここの洞窟(地下に専用エレベーターで降ります)を見なくては!と3人は大急ぎで断崖をバックに記念撮影をすませたあと「エレベーター乗り場」にダッシュします。先ほど乗り場を通った時は「5時まで営業しております」と表示がありまして、心配性でA型のワタシは「ねねっ、あと15分くらいで閉まっちゃうからさ、先にエレベーターで洞窟を見た方が良いんじゃない?」と2人に提案。しかし「んなの、ダイジョーブ、ダイジョーブ!」という妻(O型、ドコででも寝られるヒト)の楽観論に押し切られて、いったん乗り場を通り過ぎたのです。
ここまで読まれた方はすでにオチが予想できると思いますが、そう!あなたの考えている通り!5時5分前に乗り場に着いた時は「本日の営業は終了しました」の看板が…。
「だからさ〜、先に寄ろうって言ったじゃん」思わず妻に言っちゃいました。と、途端に「ぴかっ」っと妻の目が光り、怒りのスペシューム光線を出します。「だってまだ5分前じゃん。5分前ってコトは営業中ってことでしょ?」「うっ、ま、まぁ」「だったらさっき通った看板に、4時55分まで営業してますって書くべきよ!」
うっ、確かにスジは通っているけど…なんか責任回避してない?と言うか、逆ギレっぽいじゃあ〜りませんか。それに今はボクが怒っているんスけど…。
「まっ、でもね、乗り場のヒトもサラリーマンなんだから」などとイカリ狂う妻をなだめながら、「そですよね、ね?お義母さん?」とお義母さんに助けを求めようと視線を移すと、すでに義母はお土産屋のオジサンの最後の一フンバリの術中にハマって、試供品のお茶を飲んでニコニコしてます。
あちゃ〜。
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とにかく施設時間切れと妻の逆ギレの「キレキレ攻撃」から身をかわしつつ義母さんもお土産屋からヒッペがして、本日の宿泊先である「白浜○○」に向かいます。車中でムクれる妻に「まぁさ、明日もしアレだったら、も一度三段壁に行ってもいいしさ、ね?」と必死でとりなす(まてよ?なんでワタシがゴキゲンを取るのか?)んですが、妻の逆ギレはなかなか完治しません。「わかんない。明日起きた加減でね」ですと!で、ワタシもムッときまして、思わず義母さんに「義母さ〜ん。まだムクれてまっせ〜。まったくワガママな娘ですぜぇ。ちょっと意見してやって下さいよぉ」っと抗議します。義母さんは「ひゃひゃひゃ」と笑っているだけ。調子にのって「ったく、こんなワガママな娘の親のカオが見たいですわ」っと、捨て身のギャグをかましましたら母子でぎゃはは!とバカ受けしまして、義母さんなんぞ、げらげら笑いながら「それはワタシですぅ〜」と、するどいリアクションを返してきます。さすが、年の功ですな ^O^ 。
このあとすっかりゴキゲンのなおった(早い!)妻と、笑い転げる義母を乗せた車は、やはりタイムカードを押しちゃってだれもいな〜い、という様子の「円月島」を見た後、一路「白浜○○」に向かいます。ただ今の時刻は午後5時半です。
「白浜○○」はトホホなホテル?
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